コウジ君がポーターボートを持ってきてくれた。
コウジ君は身体に絵が描かれている、年商2億の会社の社長。
15歳からずっと精神的なサポートをしている。
そして今、コウジ君の息子レイジ君の心のサポートもしている。
その二人が、降りしきる雪の中を俺の為にボートを運んでくれた。
総重量40キロを超える重さを、二人で運んでくれた。
感謝以外何者でもない。速攻電話でコウジ君に丁重にお礼を言った。
人は心でしか動かない。物ではなく、その心が嬉しかった。
親子で運んできてくれた事が、凄く嬉しかった。
レイジ君は中学3年生の登校拒否児。バリのヤンキーだ。
それでも俺の前では,可愛い中坊。判らない時は何でも俺に聞いてくれる。
父親の子で、父親も過去はそうだった。俺は過去のコウジ君を否定しなかった。
人は誰でも心の傷があれば、世間を恨む。でも恨みからは未来は開けない。
だから俺は、よほどの事がない限り否定はしない。
これはずっと昔からの俺の生き方であって、父から教えてもらった一番の宝物。
takuも変わる事が出来た。怒りからは何も生まれない事をtakuは気づいた。
俺は焦らずtakuの心を理解し、ひとつずつゆっくりと凍った心を溶かせて行った。
その結果が今に至る。ドラマ「とんび」を見て俺の生き方が間違えていない事を再確認した。
俺はtakuの親代わりが出来たと思う。takuは4月から東京で暮らす。
俺の言葉が生きていれば、東京でも生きて行けるだろう。俺の願いはひとつ、takuの幸せしかない。